転職のタイミング

転職をする際の難易度は自分の今までの経験や培ってきたスキルによる内的要因に左右されるのはもちろんのこと、時期やそのときの社会情勢といった外的要因によっても大きく変わってきます。今回は外的要因について考えたいと思います。転職をスムーズに進めるためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。

日本の転職業界では、年度が切り替わるときに組織改編に伴う採用があり、3~4月と9~10月に求人募集が最も盛んになります。応募先が増えて選択肢が増えるのは嬉しいですが、その分それを狙った転職希望者も増え、競争率は高くなります。逆にボーナス支給後の夏と冬はチャンスです。求人情報は減少しますが、ボーナスをもらってから転職をしようと考える人がボーナス支給前に転職活動を行った反動で、ボーナス支給後の夏と冬は比較的ゆったりと転職活動を行うことができるのです。 
  

中小企業やベンチャー企業の場合は求人募集の時期的な差はほとんどなく、期間問わず求人募集が行われています。さらに新規プロジェクトを立ち上げるときは採用が盛んになって一度に沢山の採用をすることも珍しくないのです。中小企業やベンチャーはスピードを重視しているので、すぐに転職できる人が好まれる傾向にあります。また、大手の企業と比べて規模が小さい分、一人当たりに任される仕事の範囲が大きいので、即戦力を求めているケースが珍しくありません。気になる企業があれば常にチェックし、採用人数も比較的少ないので求人の情報を見つけたときは素早く応募するのがよいでしょう。 

厚生省の雇用動向調査によれば、ここ数年で転職入職者の雇用率は上昇しており、リーマンショックの起こった平成20年には413万人だったのが、平成25年には484万人と大幅に増えています。男女別に見ても男性が209万人から235万人、女性が204万人から249万人と増加していて、特に女性は転職のチャンスが大幅に増えたといっていいでしょう。

このように、社会の動きや景気によっても転職の難易度というものは変わってきます。自己分析をすることももちろん大事ですが、企業の募集期間やほかの転職希望者たちの動きの流れを読むことも転職活動を円滑に進めるためには大切なことなのです。